シトラス21のみかん
グリーン・プログラム シトラス21のみかん
集合写真を撮影した場所は、見渡す限りのみかん畑。けれど、以前は雑木だらけの耕作放棄地でした。
シトラス21では、生産者自らがブルドーザーを駆使し、休耕地や山林を買い取って毎年開墾や植えかえを行っているのです。
21は21世紀の21。農業の未来に危機感を抱く九州のみかん生産者が1991年に発足させた生産者グループです。農業を魅力的な仕事として次の世代に引き継ぐために、いかに効率よく、おいしいみかんを作ることができるか。その信念に共感するメンバーが、全国各地で機械化・省力化による大規模経営への挑戦を続けています。
シトラス21のみかん園の特徴は「密植」です。苗は1メートル間隔で1列に植えていきます。ふつうの畑と比べて木と木の間隔がとても近いのです。
逆に、苗の列の間には、幅4mもある平らな通路が走ります。農薬散布機を稼働させるためです。
畑をこのようにレイアウトすることで、みかんの木1列ずつに効率よく丁寧に農薬をまけるのです。その結果、ほかの散布方法と比べ、農薬が約3分の1の量で済みます。
また雑草も機械で刈るので、除草剤は年に1回しか使いません。
密植の効果は生産の合理性だけでなく、みかんの糖度にも影響します。みかんが隣の木同士で水や養分を取り合うため、糖度が高くなるのです。
シトラス21中央は、全員が県が認定するエコファーマーです。土作りを進め、農薬や化学肥料は慣行栽培の半分に削減。資材・農薬・肥料の使用状況を記録し、内部監査を実施しています。さらにコープ、仲卸会社もチェックをしています。
特別栽培に準じた栽培を始めたきっかけは、実はコープのバイヤーのアドバイスだったそうです。
コープでは2009年と2011年に、組合員に「シトラス21のみなさんにメッセージを送ろう」と呼びかけ、集まったメッセージを生産者の方にお渡ししています。いずれも約300通ものメッセージが集まりました。
私たちは「買って食べてくれた人」の生の声を聞いたことがほとんどないのです。
メッセージには「おいしい」という声がたくさんあって、自分たちの努力が伝わっているんだと思えました。また、中には傷んでいたなどの声もあり、今後のさらなる努力につなげていきます。
手紙をもらって来年もがんばるぞ!と思いました。
2012年3月、おうちCO-OPの職員ら7人がシトラス21中央を訪問し、福岡県内の新しい園地に30cmほどの大きさのみかんの苗木を19本植樹しました。1年で枝は1mほど伸び、3年後からみかんを収穫できるようになります。
< 2015年7月3日更新 >