私たちは「買って食べてくれた人」の生の声を聞いたことがほとんどありませんでした。
メッセージには「おいしい」という声がたくさんあって、自分たちの努力が伝わっているんだと思えました。また、中には傷んでいたなどの声もあり、今後のさらなる努力につなげていきます。手紙をもらって「来年もがんばるぞ!」と思いました。
生産者グループ「シトラス21中央」のメンバーは15人。熊本県と福岡県の計120ヘクタールの広大な畑で、みかんを育てています。メンバーのほとんどが2代目で、平均年齢40代の働き盛りです。
みかん畑は山林の水はけのよい斜面にあります。木と木の間隔が狭くなるように植え、さらに1本の木に小さいみかんをたくさん実らせます。すると木々や実が水と養分を取り合うので、糖度の高いみかんができるのです。
また斜面は平地より日照時間が長いので、太陽もたっぷり浴びています。ぜひ、ちょっと小ぶりでうまいみかんを味わってみてください。
「今が食べごろ」のみかんを、一つ一つ手で摘み取り
一般的な農家は、収穫は1回で済ますことが多いです。しかし同じ木でも日光の当たり方などで熟す時期が違うので、その方法では若いみかんも一緒に摘むことになってしまいます。
私たちは熟した実だけ見極めて収穫します。1本の木を1週間ごとに2~3回、多い時は4回に分け、収穫しきるまでに2~3週間かかりますが、おいしさのためには手間を惜しみません。
転がさないで、やさしく選別。その理由は?
収穫後は畑ごとにみかんの糖度と酸度を測定します。自主基準に満たないものは「シトラス21のみかん」ではなく、一般のみかんとして出荷します。またみかんは衝撃を与えると酸度が下がり食味が落ちるため、品質をチェックしてより分ける選果工程は「転がさない」作りとなっており、短時間で作業を済ませます。
グループ名称の「21」は「21世紀」から。シトラス21は農業の未来に危機感を抱く九州のみかん生産者が1991年に発足させた生産者団体です。農業を魅力的な仕事として次世代に引き継ぐために、いかに効率よくおいしいみかんを作ることができるか。その信念に共感するメンバーが、各地で機械化・省力化による大規模経営への挑戦を続けています。
シトラス21のみかん園の特徴は「密植」です。苗は1メートル間隔で1列に植えていくため、ふつうの畑と比べて木と木の距離がとても近いのです。
逆に、苗の列の間には、幅4mもある平らな通路が走ります。木の管理・収穫の際に必要な機械や農薬散布機を稼働させるためです。
これにより、みかんの木1列ずつに効率よく丁寧に農薬をまけるのです。その結果、ほかの散布方法と比べ、農薬の散布量が約3分の1の量で済みます。
また雑草も機械で刈るので、除草剤は年に1回しか使いません。
シトラス21中央のメンバーは、全員が県が認定するエコファーマー※1です。有機質肥料による土作りを進め、化学合成農薬や化学肥料は慣行栽培の半分に削減。さらに資材・農薬・肥料の使用状況を記録し、内部監査を実施し、ユーコープや仲卸会社でも栽培状況をチェックしています。
シトラス21中央とユーコープは10年以上のお付き合いですが、特別栽培※2に準じた栽培を始めたきっかけは、実はユーコープのバイヤーのアドバイスだったそうです。ユーコープでは「シトラス21のみかん」をグリーン・プログラムとして認定しています。
自然環境を大切に。
農産物のグリーン・プログラムとは
「コープの産直」商品の中でも特に、化学合成物質の使用を極力抑えることで環境への負荷を減らす取り組みを行っている商品です。
化学合成農薬と肥料の使用を、地域の一般的な農産物より5割以上減らして栽培しています。
ユーコープは毎シーズン、「シトラス21のみなさんにメッセージを送ろう」と組合員の皆さんに呼びかけています。毎年約200通ものメッセージが寄せられ、おうちCO-OPの職員が生産者に直接お渡ししています。
分厚い手紙の束を手渡されて、とてもうれしかった
私たちは「買って食べてくれた人」の生の声を聞いたことがほとんどありませんでした。
メッセージには「おいしい」という声がたくさんあって、自分たちの努力が伝わっているんだと思えました。また、中には傷んでいたなどの声もあり、今後のさらなる努力につなげていきます。手紙をもらって「来年もがんばるぞ!」と思いました。
毎年収穫シーズンにおうちCO-OPの職員がシトラス21中央での収穫体験研修に参加し、生産から収穫、流通までを学んでいます。
参加者の感想
想像以上に大変な作業でした。一日中斜面での作業は足腰に負担が大きく、高所作業もあり、枝がささって“もみくちゃ”になりながら…。「1個のみかんも大切に味わって食べないと」と実感。生産者の「安全でおいしいみかんを消費者へ」という熱い思いを組合員に伝えていきたいです。2012年3月、おうちCO-OPの職員ら7人がシトラス21中央を訪問し、福岡県内の新しい園地に30cmほどのみかんの苗木を19本植樹しました。枝はすくすくと伸びています。そろそろ実もつきだすのではないでしょうか。
ユーコープの組合員で宅配サービス「おうちCO-OP」をご利用中の方は、以下からWEB注文サイト「eふれんず」のお買い物画面をご覧いただけます。ログイン後、カテゴリ一覧からユーコープセレクションを選ぶと、その週に購入できる商品が確認できます。
< 2017年3月20日更新 >
(まーちゃんママさん)
(東さん)
(はぐみさん)
(悦子さん)