グリーン・プログラム宮城県産活〆銀鮭を養殖・水揚げしているのは、宮城県の女川町・石巻市雄勝町の6軒の生産者グループ「ニチモウ銀鮭会」です。
メンバーは技術力を磨くため毎月勉強会を開き、誰の銀鮭が一番大きく育ち、色が良いか競いながら、いっそうの品質安定と向上に努めています。
海のど真ん中で自然との闘い
漁船に揺られて約10分。山に囲まれた水深約35mの海上に2基がのいけすが並んでいます。1辺7.5mの鉄枠を八角形に組み、網と足場を取り付けただけの大変シンプルなもの。佐藤さんはここで7万5,000匹の命を育てています。
天候と水温、魚の状態を常に見続ける日々ですが、風が強ければ海に出られず、エサをやれない。ようやく船を出してもまいたエサが流される。また雪解け水が多いと海水温が上がらず、稚魚の成長が遅れるなど、自然が相手だけに毎日苦労は絶えません。
銀鮭が健康に成長するよう、エサについてはメーカーと共同で長年研究しています。
植物由来の原料や銀鮭が好むオキアミを加えたり、練りエサを銀鮭の口の大きさに合わせた粒状にしたり。エサの研究は今後も続けていきます。
また飼育期間中に抗生物質・合成抗菌剤を使用しない「グリーン・プログラム」基準の銀鮭です。
自然環境を大切に。
水産物のグリーン・プログラムとは
コープの産地指定品の中でも特に医薬品や飼料添加物など、化学合成物質の使用を極力抑えることで環境負荷を減らす取り組みを行っている商品です。
宮城では通常、水揚げした銀鮭を生きたまま氷水に詰めて出荷しますが、ユーコープでは「活〆」で提供します。1匹ずつ急所に刃を入れるため技術も人手も必要な作業ですが、血が抜けて身に回らないので、生臭みが抑えられ鮮度を保てます。
水揚げと活〆作業は、朝5時の出荷に向けて徹夜で行われます。6月は最盛期で週3回と産地はフル稼働ですが「一生懸命育てたのだから、おいしいと喜んでもらえるのが一番!」と生産者の皆さんは意欲に満ちています。
旬の時期は、フレッシュなおいしさを冷蔵でお届け
銀鮭は水温20℃以下でしか生息できない、寒冷を好む魚です。このため宮城では4月中旬から海水温が上昇する7月末までが銀鮭の水揚げ期。旬の時期はおうちCO-OPもお店も、銀鮭を鮮度の良いまま一度も凍らせずにお届けします。
この銀鮭を切身加工しているのは石巻の水産会社(株)スイシン。東日本大震災で加工工場は全壊しましたが、震災の1年半後に元の場所に新工場を建設し、再稼働を果たしました。
※かるしおとは、国立循環器病研究センター(国循)が推奨する「塩をかるく使って美味しさを引き出す」という減塩の考え方です。
東日本大震災による津波で石巻市は甚大な被害を受けました。現在も多くの企業が復興に向けて努力を続けています。2015年9月には、震災で壊滅的な被害を受けた石巻魚市場(石巻水産物地方卸売市場)が新築され、全面稼働しました。国内最大級の魚市場に、地域の復興の加速が期待されています。
私たちは生産者6軒でグループを組み、長年にわたり毎月銀鮭の勉強会を開いてきました。あの大震災では津波で地域の全てが流されましたが、メンバーは沖合や山に避難し、幸いなことに全員生きながらえました。
各地の避難所に散り散りとなっていましたが懸命に連絡を取り合い、2週間後に再会できた時のことは忘れられないです。そこで銀鮭養殖を再開し、やる以上は日本一の銀鮭をつくること、そして全員で地元の復興を果たすことを誓い合ったんです。
それからは浜のがれきの撤去を続け、地元の鉄工所が流されたため、愛媛県宇和島からいけすの鉄枠を運び、漁網も全国からかき集め、みんなでいけすを組み立てました。こうしてグループで協力した結果、震災の年の11月に、いち早く銀鮭の養殖を再開できました。
今は震災前の生産規模まで戻せていますが、地域は人が激減したままです。若い人に戻ってきてもらうために、私たちは銀鮭の生産を広げ、地域の復興に貢献したいと思います。味と色の良さには自信があります、ぜひ一度私たちの銀鮭を食べてみてください。
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< 2024年1月5日更新 >
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