豚を育てる人、加工する人、それを運ぶ人、そして利用する組合員の皆さん。コープの産地指定「茶美豚(チャーミーポーク)」はみんなが輪になって実現した、おいしくて安心な豚肉です。
1997年、「もっとおいしい豚肉を食べたい」との声に応え、組合員9人が参加した開発チームにより、約半年かけて1998年に完成しました。
組合員やユーコープの職員が茶美豚の生産現場を視察し、安全性や環境への取り組みを確認したり、生産者がユーコープの店舗に来て組合員と話したり。生産者と組合員の交流は毎年深まっています。
出荷の約2カ月前から茶美豚専用の飼料を与えます。専用飼料はトウモロコシ、マイロ※1などの穀類、さつまいもまたはキャッサバ芋※2を配合。でんぷん質が豊富なので脂肪の風味を増し、うま味成分を増やします。
また飼料には抗酸化作用や消臭作用のあるお茶の成分「カテキン」を加えています。これが「茶美豚」の名前の由来です。
さらにビタミンEを強化することで豚の健康な成育を助け、肉色が良く臭みの少ない肉質をめざしています。
茶美豚は鹿児島県59農場、岩手県4農場、群馬県1農場で生産されています。どの生産者も毎日一頭一頭の鳴き声・顔つき・動きなどを見て、いつもと様子が違う豚はいないか注意をはらい、生産履歴などをこまめに記録しています。また調子の悪い豚は違う豚房に移し、適切な治療を行うため個別に管理します。毎日体調をチェックし愛情込めて育てることが、おいしい豚肉をつくる最大のポイントです。
茶美豚が分かる!1分半動画をどうぞ!
受け入れ時に豚の健康状態をチェックし、その後部分肉に加工されるまで番号をつけて管理しています。このため生産者までわかるようになっており、 他の豚と混ざる心配はありません。また温度管理や品質の安定、異物混入がないように出荷までさまざまなチェックを重ねています。
各農場から運ばれてきた豚たち。興奮し体温が上昇しています。そのままと畜すると食味が落ちるため、シャワーを浴びさせ、一晩落ち着かせます。
ここからは素早い処理がおいしさの決め手です。流れ作業で解体します。肉色の基準など、日本格付協会の基準を満たした物のみを茶美豚として出荷しています。
岩手県産の茶美豚の専門飼料にお米を5%配合しています。
この取り組みは2009年1月に開始しました。鹿児島県で飼育している茶美豚約550頭に、飼料用米5トンを配合したえさを与えました。(2020年まで)
また岩手県で飼育している茶美豚にも2009年12月に50トン(約5,500頭分)を与えるところからスタートし、今では岩手から出荷されている茶美豚全頭がお米を食べています。
JAいわて花巻が2015年に茶美豚の飼料用米を作付けした面積は、約35ヘクタールでした。
岩手県花巻市内の茶美豚の飼料用米の田んぼでは、ユーコープの組合員や職員・パート職員が毎年5月に田植えを、10月に稲刈りを行っています。
岩手の飼料用米は毎年10月に収穫後、飼料として加工されます。12月ごろから約2万3000頭の豚に給餌し、うち約1万7000頭(飼料用米の給餌量は約210トン)が茶美豚として出荷されます。
日本の飼料自給率は26%。飼料に国産米を加えることで、自給力の向上に貢献できます。慣れ親しんだ肉の味を大切にするため飼料への米の配合率は5%ですが、国産飼料自給率の向上に貢献するため、一歩一歩取り組みます。飼料用米の生産は、同時に休耕田が増えている日本の田んぼを守ることにもつながります。
< 2023年4月7日更新 >
(ちゃちゃさん)
(まさママさん)