ユーコープの2030年ビジョン~私たちのありたい姿~について

~地域に暮らす人々が、人間らしく生きる上で必要とするものは「人と人」のつながり~

10年・20年後の社会は、少子高齢化と人口減少に加え単身世帯の増加などで、地域や家族との疎遠・孤独など、従来家族や地域社会が担ってきた「支えあい」の希薄化が大きな問題になると予想されます。このため地域や世代を超えてコミュニケーションやネットワークの再構築が重要な課題になると思われます。人は一人で生きていけるものではありません。
人々はさまざまな「力」を持っています。私たちの持つ多様なネットワークによって、その力を必要とする人、必要とされる人の間で広く活かすことができるようにし、一人ひとりの生きる喜びを創出する―こうした「人と人をつなぎ、生きるを支える」ことが私たちに求められていると考えます。

2020年ビジョンの意義を確認し、改めて、2030年ビジョンとして、ありたい姿の実現をめざしていきます。そのためには、私たちが、いま行っている事業や活動が、最も大切な取り組みです。日々、行動の意義を確かめ合いながら、ユーコープの原点である基本理念・基本的価値を大切に一歩ずつ行動していきましょう。

ビジョン実現に向けて

1.私たちは一つ一つの行動の積み重ねを通じて「ユーコープがあってよかった」という存在になります。
  1. 1.私たちはすこやかで安心できるくらしを願う声に、事業で実直に応え、地域で信頼される組織をつくります。
  2. 2.私たちは培ってきたさまざまな財産を最大限活用し、住みよい地域社会づくりの担い手となります。
  3. 3.私たちは世界の未来を見据え、持続可能な社会づくりに向けて生活協同組合として期待される役割を果たします。
2.私たちは安定した剰余を確保し、将来にわたって存在し続けます。
  1. 1.私たちは変化対応力を高め、持続可能な健全経営で事業を確実に展開し続けます。
  2. 2.私たちはグループ一体となった経営の意思決定と組織運営で、社会的責任を果たし続けます。
  3. 3.私たちは志を同じくする全国の生活協同組合、事業連合との連携を強め、事業活動における課題に立ち向かい、価値ある存在として発展します。
3.私たちは誇りと自信を持ってユーコープに集い、ユーコープで働きます。
  1. 1.私たちは自主・自発を基本に、一人ひとりの関心やニーズに合わせて参加できる活動を大きく展開します。
  2. 2.私たちは一人ひとり主体的に課題に対して取り組み、日々の仕事に一歩ずつの努力を重ね、ともに成長します。お互いの努力を認め合い、能力を高め合い、自らを磨きます。
  3. 3.私たちは気配りあるコミュニケーションで、お互いの理解と納得感を深めます。一人ひとりの責任と参画意識を高める風通しの良い組織運営をします。

基本理念、基本的価値とビジョンの関係(概念図)

  • 「基本理念」はユーコープがめざす不変かつ普遍的なありたい姿です。「基本的価値」は事業や活動を進める中で大切にする倫理的価値観です。「基本理念」「基本的価値」はユーコープにとって、最上位の概念です。
  • 「2030年ビジョン」は、「基本理念」「基本的価値」のもと、遠すぎず、近すぎない2030年という将来のありたい姿= 組合員の願いや組合員のユーコープに対する期待を表しています。2030年に向けて目標・道しるべとなるものです。なお、「2030年ビジョン」の主語である「私たちは」という表現には、誰かが実現するビジョンではなく、ユーコープに集い、ユーコープで働くすべての人で共有し、実現するという願いを込めています。
  • 「2030年ビジョン」の実現に向けて、経営基本方針や事業計画の中で、その具体化を図ります。よって、経営基本方針や事業計画に基づく取り組みの前進が、2030年ビジョンの実現につながります。

2030年ビジョン作成の考え方と経緯

  1. 1.私たちは2012年に策定した「2020年ビジョン」にそった取り組みを進め、多くの前進点をつくることができました。一方で、人口減少や少子高齢化など私たちをめぐる環境的な課題は、「2020年ビジョン」検討当時と同様に現在も進行しています。
  2. 2.2020年より感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ感染症)の影響によって、人と人が直接交流する機会が減少するなかで、「2020年ビジョン」で掲げたありたい姿の意義はさらに大きくなっています。
  3. 3.これらのことを踏まえ「2030年ビジョン」は、「2020年ビジョン」を継続します。
  4. 4.「ビジョン実現に向けての視点」は、骨子は継続しながら、新たな社会的課題や、2019年2月作成の「私たちがめざしていきたいこと」※用語1の内容を踏まえて、必要な修正・補強を行いました。「私たちがめざしていきたいこと」は、「2030年ビジョン」に統合します。
  5. 5.また、組合員活動分野については「2030年に向けたユーコープの活動と組合員組織のありたい姿(案)」の骨子を「ビジョン実現に向けての視点」に反映しました。
  6. 6.2021年10月「2030年ビジョン(案)」を組合員(組合員理事・総代・組合員活動委員・エリアコーディネーター)および全従業員に配布し、アンケートを実施しました。アンケートは組合員199名、従業員636名より回答いただき、このアンケートを受け内容を確定しました。
    • ※従業員 : 職員、パート職員、アルバイト職員、子会社・関連会社社員