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神奈川県産業労働局に意見書「かながわスマートエネルギー計画 ~2020年度までの重点的な取組~(素案)について」を提出しました。

2018年1月10日

1月10日(水)神奈川県産業労働局に意見書「かながわスマートエネルギー計画
~2020年度までの重点的な取組~(素案)について」を提出しました。

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全文は以下の通りです。


              

  かながわスマートエネルギー計画
~2020年度までの重点的な取組~(素案)について

1. 2011年3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、7年近くが経過した今も多くの人々のくらしに甚大な被害をもたらし続けており、避難を余儀なくされた方の中には今なお地元に帰還できず不自由な暮らしを続けています。原発の事故によって原子力発電の不安定さが明らかになるとともに、一度事故が起きれば取り返しのつかない被害をもたらすものであることを誰しもが認識しました。そのことは、事故発生から7年近くが経過した今日、各種の世論調査で原発再稼動への反対が過半を占めていることからも明らかです。

2. 国は2015年に策定された「長期エネルギー需給見通し」で、2030年時点で非化石電源を44%(再生可能エネルギー22~24%、原子力20~22%)と設定していますが、原発事故の危険性、使用済み核燃料の処分問題等をみるなら、原子力発電に頼らず再生可能エネルギーの推進を図ることがエネルギー政策の根幹となるべきです。この間のアジアの国々の再生可能エネルギーの導入促進など、世界のエネルギー政策の流れからみても日本のエネルギー政策は立ち遅れかねません。

3. 神奈川県は「かながわスマートエネルギー計画」の策定において、東日本大震災と福島第一原発事故により、「我が国が推進してきた、原子力発電をベース電源としてエネルギーの安定的な供給と地球温暖化対策を両立させるというエネルギー政策は、抜本的な見直しを迫られることになった」との認識に立ち、基本理念の「3つの原則」=「原子力に過度に依存しない」「環境に配慮する」「地産地消を推進する」を掲げました。かながわスマートエネルギー計画の改定にあたっては、引き続きこの立場を堅持し、再生可能エネルギーの導入をさらに推進すべきです。

以下、かながわスマートエネルギー計画~2020年度までの重点的な取組~(素案)について意見を述べます。

1. 計画策定時の「原子力発電をベース電源としてエネルギーの安定的な供給と地球温暖化対策を両立させるというエネルギー政策は、抜本的な見直しを迫られることになった」とする県の認識は、今日の原子力発電をめぐるわが国の状況と世界の動向から一層明確になっています。かながわスマートエネルギー計画の改定の趣旨等においては、あらためて「3つの原則」のもとに再生可能エネルギーの推進を強力に進めるという立場を再確認する表記を求めます。

2. 「県内の年間電力消費量」について2030年度の目標を前倒しで達成することを目指す積極的姿勢を評価します。また、「県内の年間電力消費量に対する分散型電源による発電量の割合」が伸び悩み、2020年、2030年の目標達成が難しいという評価のもとで、目標値を変更せず、分散型電源の導入拡大と省エネの促進の両面からアプローチして目標達成を目指すとしたことを評価します。しかしそのためには強力な推進策が求められます。電力系統への接続制限、賦課金による国民負担の増大、固定価格買取制度の買取価格の見直し等の影響で、全国的に太陽光発電の新規導入が伸び悩むもと、自治体としての独自の取組強化が極めて重要となっています。「自家消費型太陽光発電の導入促進」や全国に比較して遅れている「ソーラーシェアリング」の普及等、実効性のある施策をもって推進をはかるよう求めます。今後の計画確定にあたっては、施策内容とそれによって見込む数値を明らかにするよう求めます。

3. 計画を推進する連携体制に県民や県民団体を入れて、県民の参加・参画を積極的に位置づけることを求めます。今回の計画改定では「2017年度までの重点的な取組」の期間が終了するため、「2020年度までの重点的な取組」を追加するとしており、「計画の推進体制」についての評価や課題はふれられていません。改訂素案では「エネルギーに関する教育・啓発の推進」で「NPOとの協同」などは見られますが、現計画の「県民・団体等の連携体制」は、基本的には実施状況に対する意見聴取の対象としての位置付けを超えていません。推進体制は取組を進めるうえでの表裏の関係にあり、この間の取組については評価を示し、今後、より県民や県民団体の参加・参画、連携が促進されるよう検討を求めます。

以上