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核兵器禁止条約の国連交渉に不参加を表明した日本政府に対し、要請文「日本政府の核兵器禁止条約の制定交渉不参加について」を提出しました。

2017年4月 3日

3月28日、核兵器を禁止し完全廃絶につながるような法的拘束力のある措置「核兵器禁止条約」の制定をめざす交渉が、ニューヨーク国連本部で行われました。この交渉に不参加を表明した日本政府に対し、要請文「日本政府の核兵器禁止条約の制定交渉不参加について」を提出し、6月から始まる2回期目の交渉への参加を要請しました。

 全文は下記のとおりです。


     日本政府の核兵器禁止条約の制定交渉不参加について

 3月28日の午前10時過ぎ、核兵器を禁止し完全廃絶につながるような法的拘束力のある措置「核兵器禁止条約」の制定をめざす歴史的な交渉が、ニューヨーク国連本部で行われ、世界110ヵ国以上が参加しました。
 
唯一の戦争被爆国である私たち日本の市民は、国連において「核兵器禁止条約」の交渉が行われたことを、「核兵器のない世界」に向けた新たな一歩が踏み出されたと歓迎し、日本が交渉をリードしていくものと期待していました。

しかしながら、日本政府代表の高見沢将林軍縮大使は、「原爆の実相とその人道的結末に対する明確な認識について意識啓発することは唯一の戦争被爆国たる日本の使命」と述べるも、「(交渉会議に)建設的かつ誠実に参加することは困難」とし、交渉に参加しない意向を明言し、2日目からは日本政府席は空席となってしまいました。

空席となった日本の席には、NGO組織「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のテア・カトリン・ミエルスタッドさんらにより、核廃絶のメッセージ入り折り鶴1羽が、「日本が参加して、折り鶴が寂しい思いをしないよう連れ帰ってほしい」との思いを込めて置かれました。

 核兵器廃絶を願う日本の市民として、唯一の戦争被爆国でありながら核兵器禁止条約制定に向けた交渉会議の成功に背を向ける今回の日本政府の行動を大変遺憾に思います。

 高見沢将林軍縮大使の発言は、日本が繰り返し述べてきた基本姿勢の説明以上のものではなく、「現実的」「具体的」「実際的」といった言葉は繰り返されましたが、核軍縮が長年にわたり行き詰っていること、NPT合意が完全履行されていないこと、核兵器使用の危険性が高まっていること、まさにその「現実」の上で、だからこそ世界の国々が危機感を持ち、今回の歴史的な交渉会議に至っていることを無視しています。

日本に先だって登壇したオーストリアは不参加・反対を表明した国々に対し、「核の惨禍を待つことは戦略ではありません。それは過去、そして未来における核被害者たちを冒涜することに他ならないからです。核兵器禁止のプロセスを始めるよいタイミングがあります。それは今です。」と発言しました。この率直な発言こそ、世界の国々の声に他なりません。

今回の行動で日本への失望、日本への信頼感喪失は限りなく大きいものがあります。

核兵器の廃絶に向けて核兵器保有国との橋渡しを具体的な行動で示して、次回の交渉会議には必ず参加することを求めます。


2017年4月3日

生活協同組合ユーコープ

代表理事理事長 當具 伸一