【食DE健康】栄養を捨てない食べ方を学んで賢く食べよう

2021年10月 6日

ぷらすmio9月号で募集しました『栄養を捨てない食べ方を学んで賢く食べよう』に1,000名を超える応募をいただき、ありがとうございました。

抽選の結果500名の方に冊子の発送をさせていただきました。

子育て層の方からは子供の好き嫌いなどの悩み、一人暮らしの方からは食材を使いきれない、バランス良い食生活が難しい、壮年層の方からはコレステロール値を下げるための食事をしたいなど、食生活において何らかの不安や悩みを抱えている方が多いというアンケート結果でした。

また多くの方から冊子の内容を知りたいという声も多くいただきましたので、こちらに一部抜粋して載せておきますので、参考にしてください。

アンケートより

①調理の仕方や切り方、保存方法で栄養素の含有量や摂取量が変わる事を知っていたのは、71%

②栄養ロスを意識して調理や保存をしている方は、52%

・子どもが苦手な葉物野菜などをどのように調理したら食べてもらえるか悩む(kumikoさん)

・家族の好みが違いすぎて、配慮すると偏ってしまうこと(パーチメントさん)

・年齢的に高血圧などで塩分調整やたんぱく質カルシウムを不足なくとるための調理などに頭を悩ませている(KHさん)

・家庭菜園をしているのですが、旬で大量に採れた野菜の保存法を知りたいです(たまもままさん)

・栄養を逃さず調理できているか心配です(うさカルさん)

冊子を読んでの感想

・知っているつもりでいましたが、まだまだ知らないことがあり驚きでした! 娘たちにも口で言うより読んでもらえるので役立ちました。ありがとうございます。(ノブさん)

・野菜たっぷり食べようとするとレシピに目が向きがちでしたが、冊子を読んで無駄無く栄養を取り込む事に意識が向くきっかけになりました。 お刺身を買って帰るのは手抜きのような気持ちになっていましたが栄養たっぷりで最強なのですね。 玉ねぎのみじん切りは10分置く、も早速取り入れたいです(おさかなさん)

栄養を捨てない食べ方 冊子の内容抜粋

【切り方】野菜は切り方で栄養が大きく変わります。それぞれの野菜のベストな切り方を知って栄養を効率よく摂取しましょう。

☆ピーマン  「繊維に沿って縦切り」

ピーマンの細胞は縦に並んでいるので繊維に沿って切ると、加熱しても栄養が流出しにくく、シャキシャキとした食感に。生で食べるなら柔らか食感の輪切りがいいでしょう。

ピーマンはトマトの5倍ものビタミンCを含み、加熱しても栄養価が変わらないという特徴があります。ワタや種も栄養豊富なのでうまく調理してみては?

☆にんじん  「皮ごと輪切り、乱切り」

外側にβ-カロテンやポリフェノールが多く含まれているので、きれいに洗って皮ごと食べましょう。

☆ブロッコリー  「新鮮なうちに小房を切って保存」

つぼみが開くと栄養価や味が落ちるので、買ってきたらすぐに小房の部分を切り離すと、栄養価を保つことができます。茎の部分も栄養豊富、皮をむいてお使いください。

★辛み成分の硫化アリルは空気に触れることで、血液をサラサラにするアリシンに代わります。みじん切りやすりおろして10分ほど置くことで活性化され効果が上がります。この時に水にさらすと、栄養分が流出してしまいます。どうしても辛みが苦手で水にさらす場合は2.3分にとどめておきましょう。下記の野菜はこの成分が豊富です。

☆玉ねぎ「みじん切りにして10分置く」

アリシンを増やす切り方は、繊維と垂直に包丁を入れてから、90度回転して、繊維と平行に切ります。たまねぎには、血液サラサラ効果のほか、疲労回復や食欲増進効果もあります。

☆ニンニク 「すりおろして10分置く」

できるだけ細かくして空気に触れさせることが大切。みじん切りよりすりおろしがおすすめ!

☆ねぎ「白い部分は10分空気にさらす」

白い部分にはアリシンが、緑の部分にはβ-カロテンやカルシウムが豊富です。

☆にら 「根元はみじん切り、葉先はざく切りに」

ビタミン豊富な葉先は,栄養の流出を防ぐために大きめにざく切り。根元の白い部分には硫化アリルが豊富なので細かく切って血液サラサラ成分のアリシンを増やしましょう。

【調理法】栄養を逃さない調理方法を知っておくことで野菜をおいしく、栄養素をしっかり摂ることができます。

☆キャベツ  「スープがおすすめ」

キャベツはビタミンCが豊富ですが、水に溶けやすいので、加熱するには大きめに切ってレンジ調理か、流れ出た栄養素も余さずとれるスープがおすすめです。外側の葉ほどビタミンCが豊富なのでむき過ぎないようにしましょう。芯にも栄養が含まれているので薄くスライスして使うといいでしょう。

☆白菜  「真ん中から食べる」

白菜は中心部から食べましょう。収穫後は外側の葉から栄養分を吸収して生長するので、外側の葉の栄養が減少してしまいます。緑の濃い外側の葉にはビタミンCやβ-カロテンが多く含まれるので、栄養素を逃さないように!

☆じゃがいも 「皮ごとレンジで加熱」

じゃがいもに豊富に含まれるビタミンCを余さず摂るには、皮付きのまま電子レンジ調理をするか、蒸すのがおすすめです。ゆでるとビタミンが半減してしまいます。

☆にんじん  「油で加熱調理」

にんじんに豊富に含まれるβ―カロテンは体内でビタミンAに代わり免疫力を高めます。ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、効率よくとるには油と一緒にとることが大事です。油で炒めたり、揚げると吸収率がUP!

☆ピーマン  「油とともに」

β―カロテン、ビタミンEが多く含まれ、油で調理すると吸収率が上がり、苦みやにおいも気にならなくなります。ピーマンに含まれるビタミンCは熱に強い特徴があります。豚肉のビタミンB1と合わせると風邪予防の効果も。

☆ピーマン  「油とともに」

β―カロテン、ビタミンEが多く含まれ、油で調理すると吸収率が上がり、苦みやにおいも気にならなくなります。ピーマンに含まれるビタミンCは熱に強い特徴があります。豚肉のビタミンB1と合わせると風邪予防の効果も。

☆小松菜  「下茹で不要」

β―カロテンを豊富に含むので、油と一緒にとるのがおすすめです。あくが少ないので、下茹でなして直接炒めましょう。また又カルシウム、鉄も豊富は、たんぱく質と一緒にとると吸収力がよくなります。おひたしにする場合はビタミンCが流出しないように時短調理を心がけましょう。

【保存法】野菜をおいしく食べるためには保存が大切です。収穫された後も野菜は生きているので、育った環境に近い状態で保存して栄養価を減らさないように長持ちさせましょう。

☆土の中で育つ野菜 

いも類やごぼうなど・・・新聞紙やペーパータオルなどで包んで冷暗所で保存。

かぶ、にんじん、大根など・・・葉付きのものは、葉が根の栄養と水分を吸ってしまうので、葉を切り落とし、それぞれラップで包み野菜室で保存。

☆ぶら下がり型野菜 かぼちゃ、きゅうり、トマト、なす、ピーマンなど。

夏に旬を迎えるものや原産地が暑い地域であることが多いので、冷やしすぎると低温障害をおこし、栄養価が下がり傷みやすくなります。涼しいところに置くか、ペーパータオルに包んでポリ袋に入れ、野菜室で保存しましょう。

上に伸びる野菜 ねぎ、白菜、ほうれん草、にら、アスパラガスなど。

葉や茎が上に向かって伸びていく野菜は、横に寝かせておくと、上に立ち上がろうとすることに栄養が奪われてしまい鮮度が落ちます。牛乳パックやペットボトルなどを利用して、立てて保存しましょう。

☆冷凍保存

短期間に使いきれない野菜は、鮮度が高いうちに下処理をして冷凍しておけば、次に使うときに便利だし、無駄になりません。

青菜や大根、にんじん、ブロッコリーなどは固めにゆでて小分けにし、ラップに包んで冷凍します。

きのこ類は生のまま小房に分けてラップに包んで冷凍し、うまみやビタミンと逃さないために凍ったまま調理します。

☆乾燥して干し野菜に

日光に当てて乾燥させることで、うま味が増し栄養価もあがります。また水分を飛ばすことで長期保存が可能になります。干し野菜に向いているのは、大根、にんじん、れんこん、ごぼうなどの根菜やきのこ類、なすなど。

【お肉・お魚】

☆豚肉 栄養をお増すことなく取れるのは、豚しゃぶより生姜焼き!

豚肉はビタミンB1、B2が豊富ですが、水溶性のために茹でると6割程度に減ってしまします。

☆牛肉 ビタミンBをたっぷりとるならレアステーキが最強

牛の赤身肉を3分以上加熱するとビタミンが肉汁の溶けだしてしまします。強火で表面をカリッと焼き、内部は余熱でゆっくり火を通します。栄養を逃がさないで!

☆鶏肉 

鶏むね肉のイミダペプチド(ヒトの疲労回復を促す物質)を摂るポイントは、繊維を断ち切ることです。柔らかくジューシーになるうえに、栄養素の流失も押さえられます。

☆青魚

DHAやEPAの血液サラサラ効果や中性脂肪を下げる効果は、焼き魚だと2割、揚げると5割減ってしまします。最大限摂るには刺身がベストです。

【果物・その他】

☆いちご 

いちごの栄養はヘタの下が一番多いので、包丁で白い部分までとってしまうと栄養価が大幅にダウンしますので、ヘタは手で取って、水洗いはさっとが栄養を逃がさないコツです。

☆みかん

ビタミンCの吸収を助け、血管を強くするビタミンPとコレステロール値を下げるペクチンは、ほとんどが皮とスジに含まれるので、食べないのは大損です。

☆納豆

ねばねばした糸に含まれる「納豆キナーゼは」脳梗塞や心筋梗塞の原因になる決戦を予防する効果があります。朝食より夕飯に食べるほうが効果があります。

☆ごま

体に良質な油やたんぱく質が多いごまは、そのまま食べてもかたい殻に覆われているのでほとんどが吸収されません。すりつぶしてから使うことで栄養素が効率よく吸収されます。また大豆と一緒に食べると補助しあう性質があるので一層効果的です。

監修

渡邊絵里(食育実践プランナー・食育アドバイザー・野菜スペシャリスト)

大下ゆり奈(管理栄養士)