【かながわ】くらしの見直し講演会「格差の現在・過去・未来 ~バーチャルで格差を埋める時代~」をZoom開催しました

2022年9月 8日


8月27日(土) 、山田昌弘氏を講師にお招きし、くらしの見直し講演会「格差の現在・過去・未来 ~バーチャルで格差を埋める時代~」をお話ししていただきました。



開催日時 :8月27日(土) 10:30~12:00
開催方法 :Web会議ツール「Zoom」を使用
講 師  :山田 昌弘氏 (中央大学・文学部 教授)
参加者  :40名
主 催  :LPAかながわ 【協力】コープ共済連

講演内容は、まず、平成時代(1989-2019)に日本で起きた以下の①から④の負のトレンド ①少子高齢化(人口減少始まる、高齢化率28.7%-2020年世界最高) ②経済停滞(Japan as NO1から世界競争力34位-2020年) ③男女共同参画の停滞(ジェンダーギャップ指数世界120位-2020年) ④格差社会の進行(正規・非正規格差、家族形成格差、希望格差、親ガチャ) について説明がありました。
生活者視点から「格差」を考えてみると、豊かでない人が自分の状態をどのように考え、行動するのかが見えて きます。
令和にはいり、日本は、経済成長しない、給料が上がらない、将来に希望がもてない現状ですが、それでも、革命も暴動もデモも起こらず、犯罪率も低下している理由は、バーチャル世界で満足する人が増え、バーチャル世界を作ることに日本人が長けており、慣れている。と山田先生は分析しています。
具体的には、・パチンコ店9千店(2020年)(東北、九州に多い)・ゲーム産業・アニメ産業・日本の輸出産業・キャバクラ店5万5千店などの現状に表れています。現在、日本発の猫カフェ、メイドカフェなどは、全世界、特にアジアに広がっているそうです。 リアルの中で希望をもてる社会になるために必要なことは、昭和に確立した日本的制度を変革し、「日本的雇用 慣行」「戦後型家族(性別役割分業型)」から脱却しなければならない。と結論づけました。

より広がっていく可能性のある格差社会への対応とこれからの家族のあり方について深く考える機会となり、どのように行動することが必要なのかなど、大きな課題を私たちに投げかける講演会となりました。

【参加者の声】
★格差の変化がわかりバーチャルで気持ちを埋めているというのは初めて知りました。今後格差がどのようになっていくのか見ていくにあたり参考になる内容でした。(Uさん)
★山田さんが、パラサイトシングルと婚活の生みの親とは知りませんでしたし、全ての話しが、昔の話しから現在まで詳しく話してくれたので、とてもわかりやすく勉強になりました。(Yさん)
★これからの日本は明るいとは言えないことが先生のお話とデータで確信しました。先行きは誰も判りませんが、最悪の想定の下自分たちでできる対策を考え行っていこうと思いました。厳しい現状から目を背けずに日々の生活、政治に目を向け過ごしていきたいと思いました。山田先生ありがとうございました。(Hさん)
★日本の現在の格差社会に至った状況が大変良く理解できました。要因が多岐にわたっていますので、今後改善していくためには何処から改めるのが効果的なのかが重要と思います。バーチャルで格差を埋める時代というのは、とても興味深い捉え方と思いました。(Mさん)
★講演会の冒頭に先生がおっしゃった、結婚しない人が4分の1、結婚している人のうち3分の1が離婚しているので、生涯離婚しない既婚者は2分の1ということに衝撃を受けましたが、納得できました。20年ぐらい前よりかなり離婚している人が多いなと気がしていました。(Iさん)