「うなぎぼきん」 ニホンウナギの「完全養殖」研究を応援しよう!
2020年6月19日
ニホンウナギの稚魚を育てる研究へ
ユーコープでは2015年から、うなぎぼきんに取り組んでいます。
皆さんからお寄せいただいた募金は、ニホンウナギの研究をすすめる「水産研究・教育機構」へ寄付します。
シラスウナギの減少により、うなぎがピンチ!
市販のうなぎは現在99%以上が養殖です。しかし卵から養殖する技術が実用化されていないため、天然の「シラスウナギ(二ホンウナギの稚魚)」を捕獲し、育てて出荷しています。
そのシラスウナギが、近年の乱獲や川・海の環境の変化などから減少しています。このため二ホンウナギは2013年に環境省のレッドリスト(絶滅のおそれがある野生生物のリスト)に掲載されました。
日本人になじみ深いうなぎの蒲焼ですが、池や川と海と行き来するニホンウナギの生態はいまだ謎に包まれています。親うなぎは日本から遠く南に離れた西マリアナ海嶺で産卵し、海で育った稚魚が川をのぼります。しかし、親がどこからどうやって産卵場までたどり着くのかなど、まだ生態が完全には解明されていません。
うなぎの生態についてもっとくわしく
●国立研究開発法人 水産研究・教育機構
日本では、1960年代にうなぎの人工ふ化技術の研究が始まりました。1973年、世界で初めて北海道大学が人工ふ化を成功させましたが、ふ化後の幼生が何を食べるのか分からず、シラスウナギにまで育てることができたのは30年経った2002年です。
その後も養殖ではほとんどがオスになってしまうなどの難題を乗り越え、ようやく2010年、国立研究開発法人「水産研究・教育機構(旧水産総合研究センター)」が二ホンウナギの完全養殖に世界で初めて成功しました。長年の研究の結果、研究室生まれのうなぎに人工受精を施し、ふ化させた仔魚(しぎょ=赤ちゃん)を成魚にまで育て上げたのです。
現在も「水産研究・教育機構」ではニホンウナギの生態解明を進めています。
「水産研究・教育機構」の目下の課題はシラスウナギをいかに効率よく大量に養殖するかということです。次の段階として現在、南伊豆(静岡県)でシラスウナギの量産化のための研究を進めています。
今後シラスウナギの大量生産が実現し、事業化されれば、天然うなぎの保護につながります。
なんとも不思議なうなぎの赤ちゃんをご紹介します
うなぎは何年飼育しても、どういうわけか卵巣・精巣が発達しません。このため人工ふ化にこぎつけるまでは大変でした。その上自然界での生育環境やエサがわからず、最初のうちはふ化させても育てることができなかったそうです。
そんな気難しいうなぎが、ふ化直後の幼生「プレレプトセファルス」から、「レプトセファルス」→「シラスウナギ」→「成魚」 と姿と名前を変えて成長していく様子と、研究現場のご苦労を動画でご紹介します。
<ユーコープ公式YouTubeチャンネル>
2015年8月 水産研究・教育機構の増養殖研究所(三重県)にて 全2分47秒 (スライドですが、途中から音声が出ます)
うなぎぼきんについて
ユーコープは2015年、ニホンウナギの現状を知り、日本の食文化としてのうなぎを次世代に伝えるために、ニホンウナギの研究支援をスタートしました。
うなぎの消費量が1年でもっとも多い夏の土用の丑の日に向けて、組合員へ予約チラシやポスターで呼びかけています。
<うなぎぼきんの結果>
・2015年度 寄付額 34万3,485円
・2016年度 寄付額 95万3,274円
・2017年度 寄付額 87万9,661円
・2018年度 寄付額 182万6,911円
・2019年度 寄付額 193万788円
・2020年度 寄付額 140万6,200円
・2021年度 寄付額 167万3,415円
・2022年度 寄付額 146万3,457円
※ユーコープ・うらがCO-OP・海員生協・富士フイルム生協 合計
<募金の使用用途>
募金は主にうなぎを研究するための機器購入の費用にあてられます。
紫外線殺菌装置
<使用目的>
・飼育水の中の細菌を殺すことで病気の発生を予防するために使用
画像解析装置
<使用目的>
・ウナギ仔魚用の新しい餌開発のために活用
(小さな仔魚の消化管を生きたまま観察、撮影し、与えた餌を食べたのか、食べた量はどうだったのかなどを調べています)
マイクロプレートリーダー
<使用目的>
・親うなぎの成熟状態を知るための血中ホルモン量測定や健康状態を知るための血糖値、コレステロール値等を測定するために使用
卓上マイクロ冷却遠心機
<使用目的>
・うなぎ親魚の健康診断のための血液分析
・「うなぎ親魚の効率的な催熟方法(人為的に成熟させる方法)」の開発のための血中ホルモン量の測定