田んぼは日本の宝もの
日本の食料自給率は、カロリーベースで39%、食料の6割を輸入に頼っている状況です。唯一自給率100%を保っているのが、わたしたちの主食「お米」です。しかし食生活の多様化により、お米の消費量は減少の一途をたどっています。この50年で日本人1人あたりが1年に食べるお米の量は半減しました。(1962年118.3kgが2014年は55.2kgまで減っています。農林水産省「食料需給表」より)
国の減反政策や、生産者の高齢化・後継者不足に伴い、全国で休耕田が増えています。ところが水田は一度水を抜いてしまうと、稲作を再開することは非常に難しいのです。
水田は、多くの種類の生きものが生息し、日本の里山の自然環境を維持する大切な役割を担っています。加えて、大凶作や食料輸入の突然の停止など想定外の事態に備えるためにも、「水田を維持していく」のは大変重要なことです。
私たちにできることとして、ユーコープでは以下を進めています。
生産者の皆さんが大切に育てた、栽培方法や農薬の使用回数などが明らかなお米です。
北海道ななつぼしの産地にて
組合員とJAピンネ生産者のみなさん
ユーコープは「産地が明らかなおいしいお米」にこだわり、組合員と生産者の交流や学習会などを重ね、産地との信頼を築き続けています。
日本人の主食、お米。毎日のように食べているはずなのに、田んぼでどのように育ち、どういった工程を経て食卓に届くのか知らない方も多いのではないでしょうか?ユーコープはお米の産地との交流を深め、お米について学ぶ「コープの田んぼ」の取り組みを続けています。
コープの田んぼで田植え(左)・稲刈り(右)を体験する組合員とご家族のみなさん
ユーコープでは、お米を身近に感じてもらい、より安心しておいしく食べていただけることを願い、岩手県で「コープの田んぼ」作りに取り組んでいます。
昔の日本の農家は、畜産と稲作をいっしょに営んでいました。今ではこの姿も消えつつありますが、この自然ともいえる姿に近づけようというのがユーコープの取り組みです。
茶美豚やはぐくみ鶏、味菜卵の親鶏に飼料用米を与える取り組みから開始し、2015年には家畜の排泄物を熟成させて作った肥料を、産直の野菜や米、飼料用米の栽培に使用する「産直連携」もスタートしました。
飼料用米とは家畜用飼料として与える米のことです。ここ数年で、飼料用米の専用品種、タンパク質含有率が高くデンプン質の多いお米が開発されています。ユーコープでは、日本の田んぼを守るためと自給率向上のために、飼料用米の取り組みを積極的に行っています。飼料用米の給餌はユーコープの「食と食料」政策をカタチに表した取り組みのひとつです。
家畜への飼料米用の給餌量は、2010年は1,000トン弱でしたが、徐々に増えた2015年は1,500トンを超えました。
組合員が産地に行って生産者に直接話を伺いながら生産現場を見たり、生産者がユーコープの店舗の売り場に来て組合員と話したり。交流を深めながら「ユーコープの産地指定」商品は育てられています。
ここでは、それぞれの産地からの報告を写真とともにお伝えします。
「CO・OP グリーン・プログラム 特別栽培米 岩手ひとめぼれ」の産地より
「飼料用米」の栽培と給餌に取り組む産地より