機関誌mio 2016年11月号
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8月4日午後、子どもたちは広島市にある平和記念公園に到着しました。この時期の広島は一年で最も人が多く、真夏の太陽が容赦なく照り付けていました。小学校5年生のひなたさんは「今回のことをまとめて夏休みの自由研究にするの」と声を弾ませています。やんちゃな男の子たちに苦戦しながら班を切り盛りする、大学生ボランティアの遠藤さんは「私も高校生の時にこのスタディーツアーに参加したんです。平和のことを考えるきっかけになったから、今度はボランティアで参加しました」と話します。遠藤さんたち7人の学生ボランティアが説明しながら、班ごとに原爆ドーム・原爆の子の像などを巡ります。メモをとる子どもたちも真剣です。公園内にある広島平和記念資料館の中も大変な混雑でしたが、展示を一つ一つ丁寧に見ていた小学校5年生のまなえさんは「やけどをして痛々しい写真がたくさんありました。家族や仲の良い友達にも伝えたいと思います。勉強しているうちに、被爆の後遺症について知りたくなりました」と話します。被爆体験者のお話を聞きました。被爆者の一人、井口さんは当時中学2年生で、勤労奉仕していた工場の集会室前で被爆。「空から不気味な音がしたんじゃ。〝敵機か〞と見ると、ピカ―――ッと強烈な光。防災頭巾が燃え、服も燃えていた。体が焼ける、とにかく脱ぎたい! そうしている間もなくドーンという爆風で飛ばされて集会室の下敷きになった…」。裸で作業をしていた男の人の背中がズル剥けになり生血が地面に滴り落ちる。前から光を受けた人は目や鼻がどこにあるのかもわからない…広島に暮らす普通の人々の身に起きた生々しい話に耳を傾けながら、子どもたちは胸を痛めていました。中学1年生のれおん君は「参加する前は『自分には関係ない昔の話』と思っていました。でも、原爆はとても怖いし二度とあってはならないですね。自分も署名をするなど少しでも平和に近づ71年前に広島であったことを知りたい生々しい事実から目をそむけない決して忘れない、語り継ぎたいヒロシマの夏子どもたちが知った戦争と平和のこと毎年、8月は各地で組合員によるさまざまな平和への取り組みが行われています。そのひとつ、神奈川県生協連が実施している「ヒロシマ子ども平和スタディーツアー」では総勢39人、うちユーコープからは神奈川県内の組合員の子ども13人が広島を訪れ被爆の実相を学びました。子どもたちは戦争や原爆のことをどう感じたのでしょうか。む4歳の息子が「(自分の)お腹の中にお花の赤ちゃんがいるんだよ」と言っていました。ありえないけど生まれるのが楽しみです。(神奈川県横浜市 久保田恵子さん 40代)はみだしコラムコミュニティ&コミュニケーションcomucomu×いきいきとくらしを楽しむ組合員や各地で行われているさまざまな企画やイベントを紹介します持参した折り鶴を「原爆の子の像」にささげる子どもたち。左から、たいが君、たいすけ君、まなえさん原爆ドーム前で全参加者2016年8月4日~6日広島県広島市取材日場 所10November 2016

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