2017年度 第5回 通常総代会議案書 第1分冊
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802016年12月1日 規制改革推進会議農業ワーキング・グループ 「農協改革に関する意見」に強い懸念を表明します 生活協同組合ユーコープ 理事長 當具 伸一 2014年5月14日、政府の規制改革会議の農業ワーキング・グループ(以下、WG)において取りまとめられた「農業改革に関する意見」は、政府と与党での「農協改革」の議論を経て、2015年8月に農協法「改正」として可決され、2016年4月1日に施行されました。また、この11月11日にWGから「農協改革に関する意見」、そして「牛乳・乳製品の生産・流通等の改革に関する意見」が出されました。 政府の規制改革推進会議において、全農の事業制限や単位農協の信用事業の取り扱いなど、農業協同組合の事業の根幹に関わる意見がなされています。 この内容に関し、一昨年からの農協法の改定に至る一連の議論の際と同様、私たちは、強い懸念を抱かざるをえません。 日本でも世界でも協同組合は、国際協同組合同盟(ICA)が定める協同組合の定義・価値・原則に基づき運営されています。協同組合とは、「共同で所有し民主的に管理する事業体を通じ、共通の経済的・社会的・文化的ニーズと願いを満たすために自発的に手を結んだ人々の自治的な組織である。」とICAは定義しており、「自治と自立」を原則の一つに掲げています。 それぞれの協同組合の事業は、その構成員である組合員が決定するものであり、政府等の意思で決めるものではありません。 しかし、規制改革推進会議の農協や農業に関する意見は、協同組合への正しい理解を踏まえたものではないと言わざるをえません。 協同組合は、雇用創出、環境問題の取り組み、飢餓や貧困の削減などにおいて、大きな役割を担っており、昨年採択された国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現に向けて、国連をはじめ、様々な国際機関からも大いに期待されています。 規制改革の名の下に協同組合の自主性、主体性が制限されることがあってはならず、むしろ協同組合の発展・成長を促すよう政府として議論されることを期待します。

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