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「生活環境の復旧を」コープふくしま専務理事の報告より

2012年4月25日

コープふくしま 野中専務理事4月23日(月)コープふくしまの野中俊吉専務理事と小澤理事がコープしずおか本部を訪れ、「原発事故による放射能汚染に向き合うコープふくしまの取り組み」について、理事や本部職員に報告をしました。

冒頭、野中専務より「阪神淡路大震災では、マスコミが報道しなくなってからが地獄だったと聞いています。福島を忘れないでいただけるよう、伝え続けていきたい。」小澤理事からは、「コープしずおかの有志の皆さんからいただいた『つるし雛』には希望をいただいた。また、署名などにもご協力いただきありがとうございます。」とあいさつされました。

 

以下は、野中専務の報告の主旨です。

 

コープふくしまは福島県の中通り地方と浜通り地方を活動エリアとし、約17万人の組合員を擁する生協です。

震災直後、1か月前に改装したばかりのコープ保原店(伊達市)では天井が落ち店内では営業ができない状態になりました。当時福島第一原発の事故で周囲は20マイクロシーベルト/時という高い放射線量でしたが、情報が無く、放射能のことなど何も知らずに店頭のテントで物資を販売していました。

その後、日本生協連の協力もあり、早速4月には福島県内17カ所で「放射能学習会」を開催することができました。「放射能は怖い」という漠然とした意識から、「放射能は怖い分だけ正しく怖がることが大切」という意識に切り替わってきました。

それでも、「自分はどれだけ被曝しているのだろう」と気にするのが人情というものです。6月下旬より、NPOの協力を得て、住民への「ガラスバッジ(積算被曝線量計)」の提供を開始しました。放射線の測定だけでなく、被爆に関する相談なども受け付けました。ガラスバッジの測定結果では、多くの人が1か月で0.1ミリシーベルト程度の被曝ということがわかりました。外部被曝も内部被曝も問題になるほどの値ではないが、外部被曝は内部被曝の10倍の値であることもわかってきました。今福島で急ぐべきは食品の暫定基準の見直しではなく、環境放射能の低減(つまり除染)なのです。

コープふくしまでは、先のNPOの協力も得て環境除染ボランティアを募集し、その後福島県との連帯で「除染ボランティアバンク制度」が実現し、商店街や児童福祉施設、民家の除染作業を精力的に行っています。問題は除染したあとの「仮置き場」がないことです。小中学校・高等学校などは、校庭を除染(削る)したあとの土砂を、仮置き場がないため、グラウンドに穴を掘って埋めているのが実情です。

放射能除染の面的実施を-コープふくしま専務理事の報告福島県産の農産物に対する被害や風評被害もあります。福島県内で事業を営む企業や団体の協力を得て、全国に農産物を利用してもらう取り組みを行いました。福島産の農産物の価格は下落していますが、普通の価格で買っていただくことが福島を支えることに繋がります。また、コープ東北サンネット事業連合の共同購入で福島応援企画として「農産品ボックス」の企画を実施し、東北6県で13万ケースの利用がありました。組合員からのメッセージも1000件以上寄せられ、「福島の生産者を何とか支えたい」「義援金を出したが、それだけでは物足りない」「ずっと支えていきたい」というあたたかい声がありました。

現在の福島県内の様子は、避難エリア外では環境除染の面的実施が着実に進んでいるところはなく、また原発事故の損害賠償方法を巡っての不公平感(会津地区・白河市住民には賠償金が適用されない)もあります。避難エリアでは、帰村宣言がされても住民帰還は進まず、除染は実験のみで具体化していません。

今後、コープふくしまの課題としては、環境除染を行政と積極的に関わりをもってすすめていくこと、住民の日常の不安に応える放射能学習会を続けていくこと、食事に含まれる放射性物質の測定を継続して行うこと、福島県の農産物を利用してもらう取り組みを継続実施すること、「福島県に原発はもういらない」署名に取り組むことです。

住民とともに、あきらめず粘り強く環境放射能を減らしていきたいと思います。2011年度、コープふくしまは全国からの援助で黒字決算することができました。また、地域の住民に役に立つ取り組みもできました。これらを元気のもととして、今後も頑張っていきたいと思います。

この件についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
コープしずおか 役員室 電話:054-272-6991(受付時間:月~金曜日 9時~17時30分)

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