2010年2月15日
市民生協やまなしが主催した公開学習会「食品の安全を考える~残留農薬・食品添加物・遺伝子組み換え~」に北野大先生をお招きし、講演とパネルディスカッションを行いました。
冗談を交えながらの話に、来場者はくぎづけでした。(1/24 山梨県立文学館 約200人参加)
北野大(きたのまさる)氏…明治大学・理工学部応用化学科教授
北野先生には、以前よりユーコープで実施しているリスクコミュニケーション委員会の委員長や学識経験者委員を歴任していただいています。
北野大(きたのまさる)氏
科学的で正確な情報を知ることの大切さ
講演では、現代の日本をとりまく食の状況、安全と安心の違い、科学的で正確な情報を知ることの大切さ、怖がりすぎず正しく怖がることの難しさ・大切さなどが話されました。
科学的な情報の例として、
「天然食品を含め、物質が有害かどうかは量が決める」というお話をされたあと、 「例えば塩をコップ半分くらい一度に食べれば、半数の人は死にます。
化学物質でもやはり摂取量が重要。
農薬においても、現在はさまざまな量を動物に摂取させ、安全性を試験しています。
一度に摂取したときの致死量、また長期摂取による慢性的な影響、発ガン性や子どもや胎児への影響はあるか、代謝分解・排泄のされやすさ、環境での分解性など、試験項目は多岐にわたります。
その上で人が生涯に渡って毎日摂取し続けても影響がないとされる量の残留基準値が定められています。」
といったお話もありました。
パネルディスカッションで意見交換
妻鹿絢子(めがあやこ)氏 (山梨大学名誉教授、市民生協やまなし副理事長)がコーディネーターを務めました。 志田万里子(しだまりこ)氏(山梨学院短大・食物栄養科教授)からは「栄養学や食育からみた食の安全」に関する報告、安藤弥生(あんどうやよい)(ユーコープ事業連合・品質保証本部長)からは、「コープの食の安全・安心にむけた取り組み」の報告がありました。
パネルディスカッションでは、「バランスのよい食事が大切」という話になると、北野先生からは「頭では分かっていても、実践となるとなかなか難しい。私もカレー味のカップラーメンとおにぎりの昼食が大好きなんです(笑)あと、お袋が作ってくれたような、しょぱいみそ汁も好物」という打ち明け話もあり、会場を湧かせていました。