コープのとりくみ

食について考える 「食の安全・安心」

[開催報告]シリーズ食を考える連携講座 第2回(コープかながわ)

2009年7月16日

耕作地は広がらないどころか、砂漠化がすすみ減少しているので、多収穫な穀物を野生植物から遺伝子レベルで探すことが急務である。世界の同一種のルーツや遺伝子を対象とする(麦やとうもろこしなど)環境に適した「新しい緑の革命」が必要である。

会場の様子

会場の様子

第2回 『日本農業再生への道』
~食糧を確保するための植物遺伝資源の利用~


日時:2009年7月16日(火)13:30~15:30
会場:SBI大学院大学
(横浜メディア・ビジネスセンター6F)
講師:坂 智広(ばん ともひろ) 氏
 横浜市立大学 木原生物学研究所・
植物遺伝資源科学部門 教授
参加人数:59名
(コープ組合員他46名、一般参加13名)


世界の人口増が穀物生産を上回り、近い将来に飢餓がやってくる。都市人口が増え地方の耕作をする人口が減少しており、高齢化もその原因のひとつ。増える人口を養うのは、今の2倍の収穫できる穀物が必要。化石エネルギーの代替にとうもろこしなどを使えば、貧困層が飢餓に陥ってしまう。これを栽培→CO2を出さないようにする→CO2を多く吸収する熱帯雨林を伐採するという矛盾が起きている。収穫のために栽培環境・水も重要。耕作地は広がらないどころか、砂漠化がすすみ減少しているので、多収穫な穀物を野生植物から遺伝子レベルで探すことが急務である。世界の同一種のルーツや遺伝子を対象とする(麦やとうもろこしなど)環境に適した「新しい緑の革命」が必要である。身近なところでは神奈川生まれの小麦の開発に着手している。

参加者の感想

今日はどのような講座かな?と楽しみに参加しましたが、期待以上のお話を伺うことができ、とても有意義な時間でした。
地球全体の迫りくる食料危機を色々な角度から捉えた話はとても興味深く、また自給率の低い日本がどのように世界に影響を与えているかも知ることができました。来る50年のうちに、世界の穀物生産を現在の2倍にする必要があるということです。今までも世界に貢献してきた日本の農業技術や知恵が、今後も食料危機を救ってくれることを願いつつ、自分は何ができるかなと考えているところです。   
(伊東 まゆみさん)

 

生きるために食べる、食べるために作る。人は何を食べている?1日に必要なエネルギーの、おおよそ半分のエネルギーは穀物から取っている。世界三大作物コムギ、イネ、トウモロコシ、日本のコムギ自給率はおおよそ10%、ほとんどがアメリカ、カナダ、オーストラリアからの輸入である。小麦にはいろいろな種類があり、種類によってパン、お菓子、うどんなどに使うパンコムギ、パスタを作るマカロニコムギといって違うことを知りました。つくるたいせつ、日本農業技術を世界に広めよ!!       
(輿石 弘美さん)

 

エクステンション講座を受講して感じたことは、食料を輸入している自給率40%の我国が大量に食料を破棄しているという事実。そしてその一方で飢餓貧困で苦しんでいく人がいる国がある。格差を感じます。しかしこの格差も数字上で考えていることであり、日本もいつこの状態にならないとは限りません。私たちは豊かになりすぎていてその事実を知ろうともしません。最近ではコンビニで賞味期限切れの食品の破棄が社会的な問題となりました。会社経営以前に生産したものを捨てるということを考えてほしいと思う。
(住吉 純子さん)


   

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