コープのとりくみ

食について考える 「食と産地を知ろう」

『茶美豚(チャーミーポーク)』 飼料用米の田植えに行ってきました!

2011年6月 1日

5月17日(火)、JAいわて花巻の皆さんとともに、コープの産地指定豚肉「茶美豚」に給餌する飼料用米の田植えを行いました。
参加者は,、コープかながわ・コープしずおかの店舗精肉担当、ユーコープの畜産加工工場、商品部の職員・パート職員14名と、JAいわて花巻・JA全農いわてなど6団体の19名、合計33名です。

田植えの様子

田植えの様子

主食の米の消費量が減り続ける中、政府の減反政策で休耕田や耕作放棄地が増えています。このような田んぼを有効活用し家畜のえさ用の米(飼料用米)を作ることは、飼料自給率を高め、食糧自給力を強化することにつながります。

コープでは2009年からJAいわて花巻と協同し、「コープの産地指定 茶美豚(チャーミーポーク)」用のえさに飼料用米を5%配合する取り組みを行っています。2011年度、茶美豚用の飼料用米作付面積は35ヘクタール、収量は210トンを見込んでいます。

 

米穀販売課 畠山課長のごあいさつJAいわて花巻米穀販売課の畠山課長から、「大震災ではご心配をおかけしました。内陸は大きな被害はありませんでしたが沿岸部はテレビの状況のとおりです。このような状況で今年の田植えはどうしようかという話もあったのですが、こういうときだからこそ産地に来て産地を励ましてほしいという思いで皆さんにお越しいただきました。」とごあいさつをいただきました。

 

 

 

 

 

 

110519bj08田んぼの広さは10アール(10m四方)。かつて農家が1人で1日に植えたという面積だそうです。天気もよく涼しい風が吹く中、1時間ほどで田植えを終えました。飼料用米の収穫は10月20日ごろの予定です。参加者からは「すでに腰にきています」「この米を食べた茶美豚が来年にはお肉として店に届くんですね。茶美豚がより身近に感じられました」「足を取られ苦労しました。昔の米作りの大変さを実感しました」などの感想が寄せられました。

 

今年も無事収穫できますように!

 

 

翌日18日は、茶美豚の肥育農場、処理・解体加工場を見学しました。

 

【北日本JA畜産株式会社・花巻肥育農場】

豚舎の中は広々豚舎は全部で8棟あり、肥育豚出荷頭数は年間1万3500頭です。1棟の広さは15m×47m。この中で500頭の豚を飼育しています。広い豚舎の中で、豚さんたちは自由に動き回っています。茶美豚用の飼料の給餌再開は6月中旬予定です(岩手県産「茶美豚」の商品化再開は8月下旬予定)。

豚舎の床にはバイオベット(踏込みオガ粉発酵床)を厚さ80cm敷きつめてあります。バイオベットは遠野産の杉材やしいたけ菌床ブロックから製造されたオガ粉を有用微生物などで発酵させ床材としたもので、豚から排出された糞尿はバイオベットにより速やかに分解・発酵されます。実際に豚舎からは昔のような「ウンチくさい」においはほとんどしませんでした。

さらに発酵時の発熱のため、冬の外気温は氷点下12℃にも下がるのですが、豚舎内は+4℃に維持できました。冬場の暖房費も一切かかりません。

天井が高く風通しがよい構造になっており夏は換気装置で送風します。バイオベットは、3回の肥育ののち、堆肥として農家に供給します。

 

養豚部会 藤井智利さんJAいわて花巻養豚部会 藤井智利さん
「まじめをふつうにやりたい」という思いでやっています。1年365日、毎日家から10キロ離れたこの豚舎に通っています。3月11日の震災では、停電のためえさも水1滴すらも与ええることができませんでした。みなさんにええものを提供することだけです。これだけはみなさんにお約束します。またおでってくなんしぇ(またおいでくださいね)。

 

 

 

 

【(株)岩手畜産流通センター】

紫波郡紫波町にある岩手畜産流通センターは、牛・豚の処理(と畜)・解体加工を行う施設です。茶美豚用の豚もここに運ばれ、処理・解体加工されます。

 

家畜はこのゲートから施設内に搬入されます施設には、家畜専用の搬入口があります。車両は入口で消毒されてから敷地内に入り専用搬入口に着けられ、ここから処理・加工施設に搬入されていきます。
と畜後の解体作業を見学し、見学者一同、豚の命をいただくことの重みをかみしめました。

 

 

 

 

~コープの産地指定の豚肉で、岩手県の生産者にエール!~

岩手県内の茶美豚の生産者の方々は、東日本大震災では幸い全員無事でしたがご家族を亡くされた方もいます。また、農場施設の一部が損壊しました。さらに飼料工場が被災したため、現在「茶美豚」専用飼料の給餌ができません(5月末現在)。このため数カ月は「茶美豚」として出荷できず、国産豚としてユーコープに出荷していただいています。
ユーコープは組合員に理解を求めると共にエールを送ろうと、生産者の被災状況をお買物めも(カタログ)や売場掲示、ホームページなどで組合員にお知らせし、産地支援募金や応援メッセージを募り、産地の皆さんにお渡しています。

組合員からのメッセージとお買い物めも

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