コープのとりくみ

食について考える 「食と産地を知ろう」

コープ・JAなど6団体・企業 が自給率向上をめざし飼料用米に関する協定を締結

2009年5月23日

5月20日(水)、JAいわて花巻本店にて、「コープの産地指定豚肉『茶美豚(チャーミーポーク)』への飼料用米給餌事業」に関する協定を締結し、「調印式・モデル圃場への田植え」を実施しました。これは農林水産省「水田等有効活用促進交付金」の支援を受けた国産自給力向上、田園保全を目的とした取り組みです。

飼料用米の取り組み調印式にて

飼料用米の取り組み調印式にて

 この調印式には協定の締結団体であるユーコープ事業連合、JAいわて花巻をはじめとする6企業・団体の代表者が出席し、生産地とユーコープとの継続的な共同提携事業として 行っていく活動であることを宣言しました。また、来賓として出席いただいた花巻市大石満雄市長から、生産地と消費地が協力して実施 していく飼料米への取り組みについて、歓迎のご挨拶をいただきました。


【飼料用米、今回の協定の目的について】
飼料用米の田植えを実施飼料用米とは、耕作放棄地や休耕田を利用し、家畜などの飼料用に栽培されたお米です。今回の飼料用米作付けへの取り組みは、農林水産省が2008年から実施している「水田等有効活用促進交付金」(※)の 支援を受けたもので、ユーコープとしてはこの制度の活用は初めてです。

生産者であるJAいわて花巻に飼料用米の作付けを委託することで、現在問題化している遊休地水田の有効活用と、政府の進める生産調整への貢献、食料の安定供給をめざすとともに、飼料米生産者との交流を深め、日本の農業、畜産業が抱える問題をともに考え、理解を深めていきます。また飼料用米を使用することによるコストは商品の販売価格に反映することはせず、飼料用米で育成した豚肉をより多くの消費者に提供することをめざしています。

 

【作付けした飼料用米の活用について】100529_03.gif
今回作付けした飼料用米は岩手県のコープの産地指定豚肉「茶美豚(チャーミーポーク)」に給餌します。作付け面積は8.6ヘクタール、2009年度の年間作付け量は約50トン(豚5500頭分)を予定しており、これは取り扱う豚の約8%に相当します。

【飼料米への取り組みについて】
コープは食の安全・安心はもちろん、現在の日本を取り巻く食料自給率・自給力の問題についても多角的に検討し、食料安定供給は生活協同組合として積極的に取り組むべき課題と位置付けています。そのひとつである飼料用米活用の取り組みは、第1弾として鹿児島県で飼育している「茶美豚」の飼料の一部に飼料用米を約5トン(豚550頭分)配 合する活動を2009年2月に開始しました。今回はその第2弾としてJAいわて花巻と協力し、より広く飼料用米を活用するために協定を締結、2012年までの3年間継続して行うことが決定しています。2012年以降も、この取り組みは継続して続けていく予定です。
2012年以降、交付金が無くなっ た場合には、1ヘクタール当たり400万円以上のコストアップが予想されますが、商品の販売価格に反映することは無く、行政に対して制度の継続を呼びかける活動を行うなど、今後も、飼料用米取り扱い地域や作付け量の拡大をめざして取り組んでいきます。

 

※農林水産省「水田等有効活用促進交付金」について

「水田等有効活用促進交付金」とは、世界的な穀物需給の逼迫や、輸入食品に対する不安の増大などを受けて、2008年に農林水産省が日本国内の遊休地水田を最大限有効活用するために実施した交付金制度です。
対象期間は平成21年から平成23年までの3年間で、平成21年以降新たに自給力・自給率向上戦略作物(大豆・麦・飼料作物・米粉・飼料用米など)を作付け拡大した場合、拡大面積1ヘクタールに対して補助金を交付するというものです。

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