ユーコープグループ合同
第1回  リスクコミュニケーション委員会 開催報告

(コープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなし、ユーコープ事業連合)

1.開催日時 2009年7月21日(火) 10時30分〜16時

2.開催場所 岩崎学園8階ホール

3.開催テーマ

食の安全・安心「食糧・エネルギー・環境の問題は解決できるか」
─遺伝子組換え「植物科学への期待」─

4.委員、報告者・助言者

委員長

関澤 純

食品総合研究所特別研究員、コープかながわリスコミ委員長

副委員長

 

 

妻鹿 絢子

山梨大学名誉教授、市民生協やまなし副理事長

前田 恭伸

静岡大学准教授、コープしずおかリスコミ委員長

佐藤 達夫

食生活ジャーナリスト、コープかながわリスコミ副委員長

学識経験者委員

北野 大

明治大学教授、前コープかながわリスコミ委員長

織 朱實

関東学院大学教授、コープかながわリスコミ副委員長

報告者・助言者

駒嶺 穆

横浜市立大学木原生物学研究所所長

委員

組合員の代表12名、職員 10名

傍聴者

78名(関係者含む)

発言録要旨はこちら(pdf 96KB)

 

議事次第

関澤委員長

(1)>開会のあいさつ:関澤委員長

本日は駒嶺先生をお迎えし、遺伝子組換えについてお話いただきます。

リスクコミュニケーション委員会はこれまで北野勝先生にリードしていただき、なごやかな中に高いレベルの討論を進めていただきました。今回、北野先生とバトンタッチで委員長をおおせつかりましたので、よろしくお願いいたします。

 

(2)専務挨拶:鶴田専務

この委員会は昨年2008年からグループ合同で開催しています。昨年は食をめぐる不安の高まり、食料そのものや資源の需給の逼迫を背景に、日本の食料自給率の問題、食のあり方、食文化を含む食育などに高い関心が寄せられた年でした。昨年はこういったリスクコミュニケーション委員会や学習会、懇談会を通じてさまざまな意見をいただきました。そういった意見を通じて商品ガイドの2009年版には新たに「食と食料」という項目を設け、現在事業の分野でも実践を進めています。

本日のテーマが「遺伝子組み換え」ということで、食を考える上では非常に重要で、難しいテーマであると思っています。特に遺伝子組み換え作物の開発・利用については様々な見解があります。生態系への影響、現実的な問題として世界の人口増にどう対処していけば良いのか、更には環境問題、経済問題、そして我々として一番身近なところでは、食品としての安全はどうかという疑問、不安があります。

ぜひ積極的な質問や意見交換を通じて科学的な知識と正確な情報を身につけ、理解・納得がすすむ場になればと思います。

 

(3)報告(基調講演):
   横浜市立大学木原生物学研究所 所長 駒嶺 穆 氏

テーマ

「食糧・エネルギー・環境の問題は解決できるか」
─遺伝子組換え「植物科学への期待」

駒嶺 穆 氏

1 食糧危機は本当にくるのか? 

2 食糧不足の危機

  • 人類の進化と農業
  • 自然突然変異(選抜) 交雑(かけあわせ)
  • 世界の人口と農業生産の現状と将来 
  • バイオテクノロジーによる農業生産の向上

3 環境悪化の危機

  • 地球環境破壊の要因
  • 環境保全へのアグリバイオテクノロジーの寄与
  • 遺伝子組換え作物の世界的インパクト

4 化石エネルギー枯渇の危機

  • 化石燃料は本当に枯渇するのか?それはいつなのか?
  • バイオマス
  • 植物の生産の増加

5 植物の生産量(農業生産)を増加させるには

6 世界でどの位の遺伝子組換え作物が生産されているか

7 遺伝子組換え作物は何故わが国では受け入れられないのか

  • 遺伝子とは?
  • 安全性
  • 安心性
  • 従来のGMOは生産者に利益をもたらし、同時に生産価格、環境に対しては有益なものであったが、消費者には直接利益をもたらすものは少なかった

8 日本の食糧の将来

9 AU(Asian Unionアジア連合)の創立の必要性

 

(4)本日のテーマ提起:安藤委員

安藤委員

昨年度は世界的な食糧の需給の逼迫、食の安全にかかわる様々な報道ということで不安が高まり、食糧自給率の問題、とりわけ日本の食糧、農業のあり方が大きな問題になったと考えています。

今年度は国が5年ごとに見直し再設定するとしております「食糧・農業・農村基本計画」の策定が進められる年です。国は食の自給力を強めるということで、担い手の支援、優良農地の確保、農業技術の向上を掲げ、特に農業技術については、新たな可能性の開拓という面から遺伝子情報をつかった作物開発なども視野に入っているということのようです。遺伝子組換えの技術は長い生命の歴史からみれば、始まったばかりというような状況かと思います。

科学的な成果のひとつとしてその有用性、必要性が認められているところに疑いはないと考えていますが、正確な情報がわかりやすく発信され、ひとりひとりの理解が進んで、安心感が社会的に形成されていると状況にはなっていないと考えています。

コープは2009年度の商品ガイドで、政府や行政に遺伝子組換えについて消費者の安心を築くための情報公開など積極的な努力を求め続けるということを明確にしております。この技術を私たち自身がきちんと納得をして判断できる学習活動を、今後も広く進めていきたいと考えています。

コープは遺伝子組換え技術を一面的に「NO」とはしません。本日は正しい理解を深める場となればいいと思います。

 

(5)討議 質疑や意見交換が活発に行われました。

 

(6)まとめと閉会挨拶:関澤委員長

本日はありがとうございます。人類の歴史から始まり、遺伝子組み換えだけでなく食の本当の保証というもの、そのためには日本一国ではだめで、アジア連合までお話いただきました。

お示しいただいたアジア連合まで私たちも考えていきたいと思います。

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