機関誌mio 2016年6月号
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まだ着られる衣類をリサイクル社会的意義だけでない活動を続ける理由 この日の朝、ユーコープ菅店の前に「タンス在庫一掃セール」の看板が置かれていました。ユーコープふれんず「エコロジー菅の会」のメンバーがそろいのエプロンを身につけ、即席で作った台の上に集まった古着を並べています。買い物に来た組合員が次々にのぞきこみ、気になる衣類を広げては「ねえ、これどうかしら」「いいじゃな〜い、ステキ!」「100円は安いよね」とメンバーと笑いあいます。別の組合員は車からポリ袋に入った古着を降ろして「友達のものも持ってきたわよ」とスタッフに渡しています。 会の代表を務める渡辺佳織さんは話します。「会が発足して25年になります。私は最初『名前だけでもいいから』と言われて入りましたが、不要になった衣類のリサイクル工場見学に誘われて行ったときから、環境のことをより深く考えるようになったのよ」。 当時、川崎市では古くなった衣類などは燃えるゴミとして捨てていました。古着のリサイクルはあまり進んでおらず「もったいない」「使えるものは使ったほうがいいね」との思いから、誘い合ってグループを結成しました。ファイバー(古布・古着)リサイクルの回収ルートを開拓すべくリサイクル工場に話しにも行きました。「冬服など工場で引き取ってもらえない古着もあって、メンバーの家のタンスで保管をお願いしました。でも個人宅はスペースに限りがあるでしょ?」。そこで、着られるものは着てもらおうと考え、春と秋の年2回、菅店の店頭にてタンス在庫一掃セールを開催して1着100円でお分けすることにしました。 最近は学校や新聞販売店でも古着の回収をするようになり、以前よりも回収量は減ったそうですが、知人にも声をかけて古着を集めています。 「お店の宣伝にもなるからちょうどいいの。私たちここのお店が大好きなのよ」というのは前代表の橋本正子さん。30「エコロジー菅の会」メンバーとお手伝いの皆さん。 すてきな衣類がいっぱい集まりました。 「どれでも1着100円です。 どうぞ来てくださいね」2016年3月26日ユーコープ菅店(神奈川県川崎市) 取材日場 所※ユーコープふれんず:好きなテーマで組合員が3人以上集まってユーコープに登録すると、試食代などの           支援を受けることができる制度です。日付が変えられる手作りのポスターは年季が入っています。▶取材日場 所古着のリサイクルでつながる仲間たち誰か使ってね!まだまだ役に立てるからすげエコ・リサイクル・チャリティ・・・目立たないけれど、誰かの役に立つこと。組合員のささやかな活動が地域に根っこを張り、人と人とをゆるやかにつなげています。ファイバーリサイクルの活動をしているユーコープふれんず※「エコロジー菅の会」の皆さんをご紹介します。すげJune

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