2017年度 第5回 通常総代会議案書 第1分冊
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74声明や意見書等すべての核保有国が核兵器禁止条約締結に向けた 誠実な交渉を開始することを強く求めます 3月11日および15日、私たちは「金正恩第一書記が朝鮮人民戦略軍の弾道ミサイル発射訓練を視察し、新たに製造した核弾頭の威力を判定するための核実験や、核攻撃能力を高めるための実験を継続するよう指示した」こと、また「金正恩第一書記が弾道ミサイルの性能向上に必要な大気圏再突入模擬実験を視察し、核攻撃能力の信頼性をさらに高めるため、核弾頭の爆発実験と核弾頭を搭載できる多種の弾道ミサイル発射実験を早い時期に実施するための準備するよう指示した」との朝鮮中央通信による報道をうけました。 北朝鮮はこれまでも核実験を2006年、2009年、2013年そして2016年1月6日と4回実施し、この2月7日には事実上の長距離弾道ミサイル発射を行い、3月18日には、10日に続き弾道ミサイルの発射を行いました。このことは、この間の国連の核兵器廃絶に向けた取り組み、核兵器廃絶を求める世界の市民、何よりも被爆者の願いを踏みにじるものです。 私たちは、北朝鮮の核実験および能力向上の取り組みに抗議し、核兵器開発計画の中止を求めます。 そして、1992年2月に発効した韓国と北朝鮮が朝鮮半島の非核化に合意した「朝鮮半島非核化共同宣言(※)」に立ち戻り、非核化を検証するための査察制度について、両者の合意形成を誠実に行い宣言を機能させていくことを求めます。 ※両国が核兵器の実験・製造・生産・搬入・保有・貯蔵・配備・使用をしないことなどが内容。 一方、3月7日から4月30日にかけて行われている米韓合同軍事大演習は、韓国軍29万人、沖縄駐留の海兵隊を含む米軍約1万5千人が参加する史上最大規模の演習となり、そこでは、北朝鮮の核ミサイル発射の兆候を把握した際の先制攻撃を想定した作戦や、北朝鮮の重要施設を正確に攻撃する訓練、首脳を排除するための作戦なども実施される演習といわれています。このような情勢の悪化につながる軍事演習には強く抗議します。 ユーコープは被爆国日本の国民として、これまで核兵器廃絶と被爆者援護を共通の願いに、世界の平和をめざす取り組みを進めてきました。 私たちは軍事的対抗による緊張関係の高まりによって情勢が悪化していることに深い危機感を持っています。 北朝鮮が核兵器開発計画をやめること、先制攻撃を想定した米韓合同軍事大演習という緊張を高めあうような手立てではなく、世界の国とともに核保有国が核兵器禁止条約締結に向けた誠実な交渉を開始することを強く求めます。 2016年3月21日 生活協同組合ユーコープ 理事長 當具 伸一

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